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更新日:2024年1月4日
三界萬霊地蔵尊
町指定文化財:建造物
指定名称:三界萬霊地蔵尊
所在地:西野添3丁目8-16(無量壽院境内)
この石造地蔵尊は、無量壽院境内に建立されています。寛保3(1743)年に東本庄村庄屋梅谷七右衛門清政が、亡き妻の追善供養のために建立したものです。
七右衛門清政が満59歳の秋、生活で苦労をともにしてきた愛妻を失うことになりました。梅谷家文書『愚胸記』によると、妻への気持ちを七右衛門は次のように書き記しています。
「我妻は家業に精を出し、身持ちも我に順じ、常にみしかき着物を着、立ち居も軽く、二季の秋は下女と同じく庭にて働き、一生の内、長き着物は着申さず候へば、娘嫁迄も見習い申す所也」
七右衛門清政にとっては、かけがえのない良き伴侶であったと思われます。七右衛門清政が妻の死を悼み、死後の冥福を祈って造った大きな石仏は、280年の歳月を経て今なお野添の無量壽院にあり、夫婦の絆を今に伝えています。
この地蔵尊は台座正面に「三界萬霊」と刻まれています。三千世界のあらゆる霊の救済者として普及し、地神との結合がすすみ、土地に根づいたとされ、さらに、子どもの難を救うとされます。台座左面には「経曰□毎日晨朝□入於諸定しか□遊化六道□祓苦與楽」と刻まれています。残念ながら台座右面は風化が進み、判読しづらくなっています。
この地蔵尊は、石造地蔵尊としては他にあまり例を見ない足を崩した半跏趺坐に特色がみられます。特に如意輪観音にみられるような右手の掌を直接頬につけたものは、さらに例を見ることが少ないです。
郷土の偉人、梅谷七右衛門清政建立による貴重な建造物であり歴史資料です。
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